テノールで繊細で綺麗な音を届けたい

テノールは、男声の高音部を歌うパートですね。テナーとも言います。そのテノールについて考えてみたいと思います。綺麗な男声の高音を届けるには、どうすればよいのでしょうか?

テノールとは

混声四部合唱では、パートとしてはバスよりも高いですが、下から2番目に低く、ソプラノやアルトの下に位置します。透明且つ明るめの声なのがポイントです。裏声は基本使いません。テノールという名前は、ラテン語で「保つ」と言う意味があります。テナーというのは、英語です。男声四部合唱の場合は、トップとセカンドに分けられます。その場合、主にトップが主旋律を担当するのです。そう言った点では、女声のソプラノと同じですね。

テノールの難易度

混声合唱で考えてみた場合になりますが、テノールは内声(内側でバスやソプラノなどの外声に挟まれるパート。アルトも同様に内声)ということもあり、音程としては難しい方ではないかと思います。テノールは、高音なのでその高音を出すテクニックが必要になってきますね。日本ではテノールの人というのは少なく、バリトン(バスの上のパート)の人が手伝うということもあるかもしれません。しかし、バリトンの人がテノールを歌うのは難しいかと思います。

テノールの人が高い声で歌うからこそ、テノールは輝くのでしょう。

テノールで上達するには!?

テノールで高音を美しく出すポイントについて考えてみましょう。まずは、喉を開けることですね。鏡などで自分の喉仏を映しながら、「ア」の音を使って段々と高い音まで歌っていきます。そして、頭頂部を開けるイメージで、喉を開けることを意識しつつ、頭の上から声を出したり、頬など様々な部分に声を当てるということをしてみましょう。声を押しつけるというのではなく、頭の後ろからさらに後に抜かすという感覚で声を出すというのも効果があります。

先程、裏声は使わないと書きましたが、時として使用する場合もあります。裏声(ファルセット)が使えるということも重要なのです。これができないと、絞ったような何とも苦しそうな声になってしまいます。身体の力を抜いて、口やあご、または頭に響かせる声のことですね。訓練によって、音を上げて行くと、あくびをするような高い音で裏声が出せるようになります。柔らかくて温かい印象の声を意識することも、高い声を出す決め手ですね。

頭の上にある空間に響きを与える感覚で、そして音が高いか低いかに関係なく、上下にまんべんなく力を入れて歌う事を意識しましょう。腹式呼吸も大事ですね。また、針に穴を通す様に、真っ直ぐに細く声を遠くに届かせるように歌う事が望ましいですね。声は、ぼんやりとしてしまうので太くしないようにしましょう。

映画でも堪能

実在するテノール歌手をモデルにした映画があります。病によって声を失った後に、復活を遂げたという内容です。これ以上の詳細については控えますが、興味を持たれた方は、勉強の一環としてぜひご覧になって下さい。

男性で、自分の声で高い音域を開発しようという人も増えているのです。男声ならではの、遠くに届くようなクリアで明るく、綺麗な高音を響かせて、聴衆を酔わせ、魅了してほしいですね。

アルトは女声合唱では支えの要

混声合唱でのアルトは、さほど音程は低いほうではないかと思います。しかし、女声合唱になりますと、かなり低い音も出てきます。そんなアルトは、(特に女声合唱では)支え、縁の下の力持ちという認識を持たれます。ソプラノよりは声が聞こえにくいパートかもしれませんが、重厚な音で支えられれば良いですね。

日本人にアルトはいない!?

海外では、朗々としたアルトの声である人もいます。しかし、日本で考えてみると、実のところ正にアルトだという人は希少価値なのです。本当は低い声の出る女性は少ないのだとか。しかし、無理して低い声を出していることもあるのです。声を潰したりしないように気をつけたいものです。日本ではアルトのパートを歌っている人でも、海外ではメゾ・ソプラノに分類されるということもあります。

ちなみにですが、ヨーロッパに行くと女声合唱というものはあまり存在せず、日本においてのみ、女声3部合唱(ソプラノ・メゾソプラノ・アルトに分かれる)というのが盛んに行われています。

発声法などに関して

そもそも、パートによって発声法が異なるということはありません。私自身がアルトなのですが、低いパートであるアルトであっても、明るめの声が求められることも少なくないですし、実体験として、練習中に「恐い」とか「暗い」と指導者に言われることもありました。かなり低い音がありますから、それを明るく歌うのは難しいと感じます。

揃える

低音を綺麗に歌おうと考えることもないと思います。投げやりなのではなく、パートの中で声を揃え、音程を正確にして、リズムも揃えることによって、自然と良いアルトになっていくのです。小さなズレでもそのパートは不完全ということになってしまいますから、まずはアルト・パートで揃えて行くことが大事ですね。

無理はせずに

人数不足のために、アルトを手伝う人もいるかと思います。けれど、無理は禁物です。出にくい音(低音)をなんとか出そうとして、喉を壊してしまったら大変です。その様なことがないように、気を付けたいものです。

ヴォーチェ・ディ・フィンテ

アルトの低音は、『ヴォーチェ・ディ・フィンテ』の変化形として形成されて、パワーが出るのです。『ヴォーチェ・ディ・フィンテ』とは、伸びて行く過程の中に縮む部分を作って発声することなのです。声帯の周りの筋肉を伸ばし、声門の震える部分が縮まる力を高めます。前後や左右を引っ張り、隙間をなるべく閉じるようにするのです。その時に閉じる強度を、伸ばすことによって強くしようということです。

練習法としては、中音域から中央のドまで下がっていきます。下に行けば行くほど声が細くなっては来ませんか?出なくなる下の限界の音まで下がったとして、声が掠れて出にくい場所があると思います(下のラ~ミ辺りでしょうか)。その下の部分は、胸の声になってしまっているということですね。その音域辺りで、声帯を伸ばします。そして、同時に声帯を上方向に釣り上がるようにします。

かなり強めに釣りあげるのです。この時に、声がひっくりかえらずに大きく鳴れば、良いですね。

アルトといっても、声は暗くせず、あまり無理もしないということが重要なのです。

上下に包まれる存在、メゾ・ソプラノ

メゾ・ソプラノは、中間のパートですね。『あんこ』であると、表現をする方もいます。要するに、どら焼きで例えると、上下を生地で挟まれる存在ということです。正に、ソプラノとアルトに挟まれるパート、メゾ・ソプラノのことを言い表しているなと思います。しかし、その『あんこ』ははみ出てはいけないのです。

メゾ・ソプラノの編成

メゾ・ソプラノは、日本曲に多い女声三部合唱だとそのままメゾ・ソプラノということになります。曲の中において、メゾ・ソプラノが二つに分かれると言う場合もあります。女声四部になると、ソプラノ1,2、アルト1,2に分けられますが、メゾ・ソプラノの方は高めが得意ならばソプラノ2を、どちらかというと中音域よりも少し低い音が良い場合はアルト1に分かれます。混声四部合唱の場合は、女声はソプラノとアルトに分かれますが、女声四部でソプラノ2の人が混声四部ではソプラノを、アルト1の人はアルトを担当するのが通常です。

ソプラノの中で分かれる場合は、ソプラノ2の人が下を、アルトが分かれる場合は、アルト1の人が上を歌います。

メゾの役割

メゾ・ソプラノは難しいパートだと思います。周りから他パートが聴こえてくるわけですし、つられてしまいがちではないかとも思うのです。ソプラノだと華やかさがあったり、主旋律を歌うことも多いので、目立ちますね。アルトは、下をしっかりと重厚に支えるという役目があります。そして、メゾにはメゾの役割があるのです。メゾは、ハーモニーの重要な部分を担っていますね。内声なので、その動きが、メゾの魅力のポイントなのではないでしょうか。

また、和音の中でもメゾが半音下がったり上がったりするだけでも、曲の感じが明るくなったり暗く感じられたりと、大分違う様に変わってくるのです。和音にも深みを出せますし、ソプラノとアルトの仲介役にも思います。曲の中でメゾ・ソプラノが動くことによって曲のイメージも変わってくるので、曲に違いを出せるのが、メゾの持ち味なのだと感じます。

メゾ・ソプラノを上手に歌うには!?

音域が広かったり、豊満な響きを持っていればいいですね。アルトが力を出して下を支えていても、合唱が上手くいかない場合は、メゾ・ソプラノが足りなかったり、弱いという可能性があります。メゾ・ソプラノは合唱の支柱となることから、ちゃんと響かせないと立体的で奥行きのある感じにはなりません。合唱の支柱であるという意識を持って歌う事が大事なのです。上達するには、ハミングをしてみてから、段々と口を開いていって声を出すという発声練習も有益だと思います。無理のない声で歌うことが重要ですね。

中間にいて、橋渡しをしたり曲に違いを出すことのできるメゾ・ソプラノ。間に挟まれて難しいパートかもしれません。難しいせいか、メゾ・ソプラノにはなりたくないと言う人もいるようです。しかし、メゾ・ソプラノという支柱がなければ曲は演奏できないですから、メゾ・ソプラノあっての女声合唱だと感じています。

ソプラノの澄んだ高音を出す方法は何?

ソプラノは、合唱において“エース”のような存在ではないでしょうか。主旋律を歌う率も高いですし、合唱ではソプラノが上手なことが求められたりもします。そんな合唱に一層華やかさを添えるソプラノを、澄んでいて綺麗な声で上手に歌う方法を考えてみましょう。

高音を出す時は

ソプラノは、とても高い音を出しますね。さらに、ソプラノは歌が上手い人がなるという話も聞いたことがあります。いつも聴いていると、高い声が出て上手なソプラノの人が羨ましいなと思います。さて、その高い音を出す場合のコツというのは何なのか?口の中には軟口蓋というものがあります。口中の上部分の奥の、軟らかい窪みのことです。そこを上げて声を出すのです。ようするに、口の中を大きく開いて頭の天辺に響かせた良い音を出すということですね。

あまり口を大きく開け過ぎてもいけないので、口の中を広げるというか、あくびをするような感じに口の中を大きく開けて歌うのが良いのです。これは頻繁に言われることです。また、舌はあげないようにしましょう。声の出る道を作ることで、邪魔になるものもないので、そのまま直球で声が出るのです。歌う時に喉仏も動きます。高音を出す時に無理をすると喉仏に力みが出てしまいます。そうすると、詰まったようになってしまいます。

そうならないためにも、喉仏の力は抜いて、上に上がってこないようにしましょう。地声にならないようにするには、喉仏の位置をなるべくそのままにして発声するのが良いです。

ヘッドボイス

“ヘッドボイス”という裏声の出し方があります。高い音を歌う時のテクニックですね。これは、ソプラノ歌手などが実践しているものですが、プロではない合唱団員の方でも身に付けるることができるのです。これには喉が開いていて、息漏れをしていないということが大切になってきます。息漏れは歌うことにおいて避けたい事柄です。息漏れをしていると、息も続きませんし、息が漏れるような音まで聞こえるということもあるのです。

息が続かないと、合唱では弱点となりますね。喉が開いていると、丸みがあるというか、ボリュームのある裏声がでるのです。まるでソリストのソプラノ歌手になったような声で歌う事ができるということですね。高い音域であっても、喉を開けることを意識して練習を何度もすることが大切です。こうして高い音が多い曲を常に練習しますと、喉の使い方に関しても練習ができるというわけなのです。

デックング

デックングというのは、高い音を出す時に声をかぶせることです。声をかぶせるというのは、喉を絞るようにするのではなく、口の中を開けて声をポーンと自分の背後から前方に向けて届けるようなイメージで出すことを言います。喉を絞る様に歌うと、歌う本人も辛くなりますし、あまり良い声は出ません。高音が出にくい時は、デックングして声をかぶせて歌うようにしましょう。

ソプラノの方は、高音が出るし花形なのだという自信を持って、美声を届かせてほしいですね。

自分の声に合ったパートで歌おう

合唱では、自分に合ったパートを選ぶことも大切になってきます。自分で判断するだけではなく、指導の先生に歌声を聞いてもらい、見極めてもらうことも有効です。本来の声に合ったパートでない場合、自身で違和感を覚えることもあるかもしれません。

パートを決めることは大切

人数の関係などで、本来の音域ではないパートに所属する人も、いるかもしれません。その人が学生で、卒業によって他の団体に移った時に、パートを決める段階で下の音から順に上に向けて声を指導者に聞いてもらい、今までアルトだったのに、上の方が実は歌いやすかったり、意外にも綺麗な声が出るということもあります。自分に合ったパートで歌うためにも、最初に指導者に声を聞いてもらうことが良いのです。

望みのパートではなくても

配属されたパートが、歌いたいパートでないこともあるかもしれません。確かに、ソプラノに憧れるということなどもあるでしょう。しかし、それが自分に合ったパートかどうかは、自身では判断がつかないものです。もし希望していたパートに入れなかったとしても、そのパートでの歌う楽しみを見付け、対応できなければいけませんね。知っている人で、「ソプラノが歌いたい」と願いを持っている人がいますが、その方はメゾ・ソプラノで頑張っています。

他のパートの声が出せなくなる!?

例えば、アルトにいたら段々と高い音が出せなくなるということも、ないとは言い切れません。確かに、低いアルトを常々歌っているのですから、発声練習の時以外には高い音域は歌う事があまりなくなってしまいます。高い音の出せるソプラノの人は、アルトの低い音が出せないということがありますね。

音域とパートは関係がない

高い声がでるから、自分はソプラノだとか、低い声は得意なのできっとアルトだという考えは危険です。音域と自分のパートは関係がないのです。とは言え、自分のいるパートで出すべき音域というのはありますよね。なので、その音域の声は出せるようになることは大事です。現実として、出る声の高低によってソプラノだ、テノールだと分けているという団体も多いですね。また、声の太さによってパートを分けるのも違うのです。

ソプラノは細い声と捉えがちですが、そればかりではありません。オペラのソプラノのソリストだって、太い声をしていたりします(エンジェルボイスというものもあるのですが・・・)。

パート分けのポイント

パートを決める時のポイントは、地声と裏声の境目なのです。出しづらくなる部分なのです。要するに、“チェンジ”の箇所ということになります。どこが、自分のチェンジの場所なのかを確認できたら、自分の本来のパートが分かります。曲が作曲される行程で、チェンジの場所にも気を使っているのです。ちなみに、練習をしてから本来のパートを見付けるのが良いです。練習が足りないからか、チェンジの場所なのか、声が出ない理由も判断できないですから。

まずは、発声練習をしてみましょう。

自分に合うパートを見付け、実りのある合唱ライフになるといいですね。

これは必須!発声練習をしよう!

合唱の練習において、発声練習はとても大切で、欠かせない時間なのです。これを疎かにしては、良い声で歌えませんね。ちゃんと時間通りに練習に参加し、発声練習にも取り組みましょう。

発声練習が大事な理由など

優秀な合唱団などは、発声練習に30分ほどの時間をかけるというくらい、発声練習は大事なものです。いきなり曲を歌わずに、声を慣らすということもありますね。一人一人歌わせるということもあります。それは、指導者がその人の声を聴いて、状態などを把握すると言う意味合いもあるでしょう。

声を出すための練習法

練習は毎日積み重ねることが大事ですね。ここで、声を出すための練習方法についてご紹介したいと思います。まず、腰に手を当てて、腰を曲げた時に力が入っているかを確かめます。そして、身体を起こしてもその感覚を忘れずに歌う様にするのです。自身の声をよく聴いて、その時に響きがどこにあるかを確かめます。音の高さによって、声を当てる位置を変えるようにしましょう。声を当てる場所は、自身の声を鼻に抜いて探ってみます。

頬を上げて歌ったり、反対に頬を下げて歌ってみて、出た音の違いを考えてみましょう。口に手のひらを近づけて「あー」と声を出してみて、息が感じられると、息が声になりきっておらず、息漏れをしているという証拠です。息が感じられない様にしましょう。

発声練習の方法

身体、特に肩が固くなっていたら、合唱では良くありません。なので、脱力させる必要があります。「アー」と歌いながら、首を左右に動かしながら、力を抜いたりということもします。身体をブラブラさせるのも良いです。また、膝をカクカクと上下させるという方法もあります。声を響かせるためには、ハミングをします。そして声を出しながら、鼻を摘んでみます。鼻や頭で響かせる為ですが、鼻にかかった声が出れば良いですね。

また、「Z—-」の音で響かせると練習もあります。私もたまに練習でしていますが、「ズー」と言葉にして言うのではなく、響きで「Z―」と音を出すのです。これは、響いている場所を、顔の前方に移動させてくれます。こもった響きから声を開けはなってくれるのです。呼吸練習での「スッスッスッスッスッ」(声ではなく息を出す音)から派生して、腹筋を使って(いつも使うわけですが)スタッカートで「ハッハッハッハッハー」などでも歌うと、瞬時に音も出しやすくなります。

スタッカートも曲によく出てくるので、大事だと思います。

時や場合によって練習法を変える

朝早い時や、メンバーが疲れてきている様な時には、ハミングで「ンー」と声を出し、脱力をさせるということもあります。喉の疲れを取ったり、リラックスさせる効果がありますね。

とある人が、「発声練習で、一人づつ歌わせられるのが嫌だ。」ということを言っていました。確かに、一人づつ歌うのは緊張するかもしれません。けれど、それで逃げていればいつまでも進歩はできないなと、私は感じます。歌うためには、まず喉を温めて慣らさなければいけません。発声練習を疎かにせずに大事に捉え、きちんと声を慣らして状態を整えてから、曲の練習に入るようにしたいですね。

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これができなきゃ始まらない!呼吸法をしっかりと

準備体操をして身体が解れてきたら、次に呼吸練習をします。ここでは、腹筋を上手に使って息を出すことを練習したり、息の使い方を練習するのです。

呼吸練習の大切さ

呼吸がしっかりとできていないと、上手には歌えません。歌うためには、大きく息を吸い、肺に溜めて、効率良く息を使っていくということが重要です。そのことを自在にできるように、歌う前の呼吸練習をするのです。

呼吸練習・実例

実際に、一般の合唱団で行われている呼吸法をご紹介したいと思います。息を大きく吸って、身体いっぱいに溜めます。そして、鋭く一回お腹の筋肉を絞るように「スッ」と息を吐くのです。息を出した時に、はっきりとした音が出たら腹筋が使えているということですね。ちなみにですが、声で「スッ」と言うのではありません。息を出すのです。続いて「スッスッスッスッスッ」と連続して行います。

他のパターンでは、早めのリズムで腹筋を使って「スッスッスッスッスー」と鋭く吐くというものがあります。また、ロングブレスのパターンでは、大きく息を吸ってから、「スー、スー、スー、スー」とゆっくりめに4回に分けて息を吐いて行きます。そして、それを吐く回数を6、7回くらいまで増やしていきます。4回までは余裕がありますが、段々ときつくなっていきます。要は、息をたっぷりと瞬時に吸うということです。

しかも、背中が少し膨らむくらい入ると良いでしょう。こういった呼吸練習を行うと、歌を歌う時も息を上手に使えるようになり、ブレスが持つようにもなるというわけなのです。息を無駄に使っていてはもったいないですし、有効活用したいものです。

もっと吸ったり吐く筋肉を鍛える

長く良い声を出すためには、吐く息を安定して出すことができなければいけません。また、高い音を出すとなると、どれくらい濃い息が出せるかということが大切になってきます。それにはまず、呼吸をする筋肉が良く成長しているかということにかかってくるのです。呼吸の筋肉を鍛えるには、どのような運動の仕方があるのでしょうか?鍛える道具も売られています。ですが、今回はペットボトルを用いましょう。

ペットボトルの底に、直径で2mmから3mm程度の穴を2つから4つほど開けます。そうしたら、飲む部分に口を当てて塞ぎます。息が漏れない様にお腹や脇腹、そして背中を膨らますようにして、ゆっくりと息を吸うのです。それが終わったら、すぐに息を吐きましょう。これを30セット行います。朝か夕方にでも一日2回程度行うのが良いです。できれば同じ強度で吸って吐く事が重要です。一朝一夕には効果が出ないかもしれませんが、継続して行いましょう。

合唱では“息”が大いに関わってきますので、呼吸法はしっかりと日頃から取り組みたいところです。歌っている時の声にも影響しますから、弱弱しい声にならないためにも、息にも気を配りましょう。私もブレスは長い方ではないので、頑張りたいと思います。

練習の前には準備体操をしっかりと!

合唱の練習を始める前にすることがあります。それは準備体操です。練習を始める前には、身体は固まっていますので、それを解す必要があるのです。また、合唱を行うには体力もとても重要なのです。

腹筋運動が大切!

歌を歌うのには、腹筋は欠かせません。歌は喉で歌うのではなく、腹筋を使い、身体全体までも使って行うのです。腹筋は声量にも繋がります。腹筋がなくては歌えません。力強い声がでなかったり、声がか細くなってしまったりするのです。学校の合唱部でも、練習前に椅子に横になるなどして、腹筋を鍛える運動をします。まるで運動部かと勘違いしそうですが、合唱にも体力が必要なのです。

私も寝る前に必ず腹筋をしています。そのおかげか、声量は増したと実感しています。腹筋運動ができないのであれば、人目のない時にでも、お腹に力を入れて、「スッスッスッスッ」と息を吐きながら、お腹をへこませるということも有益でしょう(呼吸練習の記事でも出てきますが)。

足腰を鍛えるべし!!

立って練習をしている団体もあるかと思います。もしくは、演奏会などでは、長時間立ちっぱなしになりますし、イベント等でも、立って待つということもあるでしょう。そのためには、日頃から足腰は鍛えておかなければいけませんね。ウォーキングなども良いですが、時間が取れない場合は屈伸運動をするのも良いでしょう。普段から立っていることに慣れるということも大事です。

ちなみに、長時間立っていて姿勢が悪いと、腰が痛くなるといったこともあります。

首の運動をしよう

首を左右共に5回づつほど曲げます。また、左右5回づつ首を回します。ゆっくり行うこともポイントです。これをすると、首も柔らかくなりますし、大事です。また、練習中に肩が固くなってしまうこともあるでしょう。その際には、肩を動かして解すことも必要です。肩が凝っていると、声まで固くなってしまうのです。

腕を伸ばす

歌と伸びをすることは関係がないようですが、身体を弛緩させるために、重要なことなのです。片腕を上にあげて、手首を内側に曲げます(手の平が外に向くように)。脇も伸びますし、いいですね。

身体をリラックス

身体全体の力を抜き、ゆっくりと左右に交互に身体を捻り、腕をブラブラさせます。身体がリラックス状態ではないと、良い声がでませんね。これは、発声練習をしている時にも行うのが良いです。柔軟体操をして、筋肉を柔軟にすることも良いですね。筋肉が柔軟だと、聴く側も聴きやすい声となるでしょう。

姿勢も重要なのです

他の記事で詳しく書かせていただきますが、歌う時の姿勢は良い声の為には重要なのです。猫背は治さなくてはいけませんね。油断せずに、ピンと吊られているような気持ちで、身体はリラックスしていても、神経は尖らせていないといけません。

以上のことを実践して、良い声を作る為の努力をしていきましょう。歌う為にも、こういった身体作りから始めなくてはいけないのです。

ソロと合唱の違いは何?

歌には、ソロの歌い手と合唱の歌い手など、様々ありますね。朗々とソロで歌う場合もあれば、合唱での歌い方というのもあるのです。さらに言ってしまえば、ソロでやってきた人は、合唱の中では最初は苦労することもないとは言えないということになります。

ソロと合唱

合唱で歌っていても、練習中に指導者から「ソリストのように」と要求されることもあります。まぁ、これは歌うイメージなどの問題のこともあるのですが。それに、合唱曲の中にもソロパートは存在します。しかし、やはりソロにはソロの歌い方が、合唱にも合唱の歌い方があります。合唱の中で皆と歌っている時に、ソリスト然として朗々と歌うとかえって浮いてしまうというか、目立ってしまうのです。

合唱は声を合わせる作業なので、「自分が良ければそれでいい」という考えはいけませんね。まぁ、いないとは思うのですが。皆と声を揃えようと努力することが大事なのです。

発声の方法は同じ?

様々な歌い手の人も、それぞれに独自の発声法で歌っていると言ってもいいくらいです。千差万別、多くの発声法があるということなのですね。元々、発声法というものはソロと合唱によって、違いがあるというわけではないのです。ソロと合唱で違う点と言うと、“歌い方”になるでしょう。声の出し方というよりも、形式といいますか、型と言う感じでしょうか。

例えば、ソロの方の場合やソロの曲を歌う場合は、声量にも重きを置いて歌うということが多いと思います。しかし、合唱では声を合わせることが大事ですから、パートの中で一人だけ飛び抜けてボリュームがありすぎたりすると、困ってしまいます。合唱で大事に考えることとなると、音程だったり、発音(子音をはっきりさせるなど、日本語でも外国曲でも同様)になってくるのです。ようするに、それぞれのケースによって、重要視される事項が異なるということなのです。

もしもソロを担当することになったら!?

合唱曲の中には、ソロパートの存在するものもあると最初に言いました。もしかしたら、合唱をしていく中であなたがパートのソロを担当することになることが、ないとは言い切れません。そういった時にどの様に歌えば良いか・・・。他の合唱のメンバーが歌っている中でソロが入るのならば、合唱の人達よりももっと言葉を明るく、クリアに伝えられるように歌うことです。また、合唱だと他のパートとの音のぶつかりや縦のラインを認識して揃えることが求められますね。

しかし、ソロだとあなた自身でビブラートを入れたり、自分でテンポを揺れるようにしたり、独自の感覚で歌う事を考えてみましょう。他の合唱の人達よりもボリュームのある声で歌い、聴く人を惹き付けましょう。ソロの人は、聴衆の視線も集めやすいです。なので、表情にも気を配りましょう。自分が歌を引っ張っていくくらいの意識でもいいかと思います。

合唱は、皆と合わせて行くことが大事で、歌においても協調性が求められます。しかし、ソロになると“自分を観て!”というほどの意識でグングンと歌っていくのが良いのですね。

合唱についての知識を覚えよう

合唱といえば、誰しも一度は学校などで経験があるのではないでしょうか。授業の一環で歌う場合もあるでしょう。また、部活に入ったり、大人になり一般の合唱団に入る方もいると思います。そんな合唱が好きな方のために、その合唱がどのようなものか、最初にご紹介したいと思います。

合唱の起源

日本での合唱の始まりというのは、1557年に大分で聖週間(キリストの受難の日から、復活したとされる日まで)に行われた歌によるミサが最初であるということです。

合唱の種類

男女による混声合唱、女性のみの女声合唱、男性の男声合唱に分かれます。曲によって、2部合唱、3部合唱、4部合唱などに分けられます。また、合唱の中にソロ(独唱者)が必要な曲もあります。伴奏付きの曲もあれば、無伴奏の曲もあるのが特徴です。また、日本にも合唱曲の作曲家がいらっしゃいますが、世界を見渡すと、また、これまでを考えると、様々な作曲家がいます。宗教音楽などの古典や、現代ものによっても雰囲気などに違いがあります。

同声合唱というものがありますが、これは、女声合唱と男声合唱のどちらでも歌えるということを意図した曲で、普通の場合2か3つのパートに分かれています。

楽譜の書かれ方とは?

まず、女声合唱の場合は楽譜はト音記号で書かれています。男声合唱になると、テノールはト音記号で、バスはヘ音記号で普通は書かれています。そして、混声合唱は各パートづつ4段で書かれる時と2段に分かれるパターンがあります。4段ですと、ソプラノ、アルト、テノールがト音記号で、バスのみへ音記号で書かれるのです。2段になると、女声のソプラノとアルトが上段にト音記号で書かれ、下段にはテノールとバスがへ音記号で書かれるというわけです。

さらには、女声合唱の場合低い音を補助するために、伴奏付きでピアノと共に歌う曲が多いのです。反対に、男声合唱だと伴奏のない曲が多いです。混声合唱は様々ありますね。ちなみに、“ア・カペラ”という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ア・カペラというのは、無伴奏の曲を指しますが、ア・カペラには『教会から伝わった』という意味があるので、宗教曲に対して使われるのです。

合唱の楽しさ

合唱の楽しいところは、皆で一つの曲のハーモニーを形成させていくということでしょうか。人は一人で和音で合唱をすることはできませんね。合唱でのハーモニーが決まった時にはそれはもう、嬉しいものです。私なりの意見ですが、仲間と一緒に練習することも楽しいですし、練習後に少し会話して帰るのも楽しみの一つです。歌とは関係のない話ではありますが、そういったところも大切だと思います。

こうしたコミュニケーションをとってこそ、合唱で調和も取れて行くと感じますから。

音楽用語について

この場で多くの音楽用語や記号などについて挙げると、キリがなくなってしまいますが、学校で習った“フォルテ”や“クレッシェンド”などの言葉も大いに役立ちます。しかし、学校では習わなかった用語もあるかと思います。私も、合唱を始めてから知った言葉もあります。わからない言葉があったら、貪欲に調べて自分のものにしていくと、楽譜の理解も速くなりますね。

合唱についての種類や歴史など様々な知識を蓄えられれば、合唱も一層楽しいものになり、身近にもなるのではないでしょうか。