上下に包まれる存在、メゾ・ソプラノ

メゾ・ソプラノは、中間のパートですね。『あんこ』であると、表現をする方もいます。要するに、どら焼きで例えると、上下を生地で挟まれる存在ということです。正に、ソプラノとアルトに挟まれるパート、メゾ・ソプラノのことを言い表しているなと思います。しかし、その『あんこ』ははみ出てはいけないのです。

メゾ・ソプラノの編成

メゾ・ソプラノは、日本曲に多い女声三部合唱だとそのままメゾ・ソプラノということになります。曲の中において、メゾ・ソプラノが二つに分かれると言う場合もあります。女声四部になると、ソプラノ1,2、アルト1,2に分けられますが、メゾ・ソプラノの方は高めが得意ならばソプラノ2を、どちらかというと中音域よりも少し低い音が良い場合はアルト1に分かれます。混声四部合唱の場合は、女声はソプラノとアルトに分かれますが、女声四部でソプラノ2の人が混声四部ではソプラノを、アルト1の人はアルトを担当するのが通常です。

ソプラノの中で分かれる場合は、ソプラノ2の人が下を、アルトが分かれる場合は、アルト1の人が上を歌います。

メゾの役割

メゾ・ソプラノは難しいパートだと思います。周りから他パートが聴こえてくるわけですし、つられてしまいがちではないかとも思うのです。ソプラノだと華やかさがあったり、主旋律を歌うことも多いので、目立ちますね。アルトは、下をしっかりと重厚に支えるという役目があります。そして、メゾにはメゾの役割があるのです。メゾは、ハーモニーの重要な部分を担っていますね。内声なので、その動きが、メゾの魅力のポイントなのではないでしょうか。

また、和音の中でもメゾが半音下がったり上がったりするだけでも、曲の感じが明るくなったり暗く感じられたりと、大分違う様に変わってくるのです。和音にも深みを出せますし、ソプラノとアルトの仲介役にも思います。曲の中でメゾ・ソプラノが動くことによって曲のイメージも変わってくるので、曲に違いを出せるのが、メゾの持ち味なのだと感じます。

メゾ・ソプラノを上手に歌うには!?

音域が広かったり、豊満な響きを持っていればいいですね。アルトが力を出して下を支えていても、合唱が上手くいかない場合は、メゾ・ソプラノが足りなかったり、弱いという可能性があります。メゾ・ソプラノは合唱の支柱となることから、ちゃんと響かせないと立体的で奥行きのある感じにはなりません。合唱の支柱であるという意識を持って歌う事が大事なのです。上達するには、ハミングをしてみてから、段々と口を開いていって声を出すという発声練習も有益だと思います。無理のない声で歌うことが重要ですね。

中間にいて、橋渡しをしたり曲に違いを出すことのできるメゾ・ソプラノ。間に挟まれて難しいパートかもしれません。難しいせいか、メゾ・ソプラノにはなりたくないと言う人もいるようです。しかし、メゾ・ソプラノという支柱がなければ曲は演奏できないですから、メゾ・ソプラノあっての女声合唱だと感じています。